「俺と話すの嫌じゃない?」



「え?」


ふぅっと一息ついて、永人が口にした言葉の意味がわからなくて首を傾げる。



「いや、昨日俺のこと避けただろ?」


「あぁ……」



やっぱり永人は昨日のことを気にしていたんだ。



「俺ともう話したくないなら、明日汰にもこんなことそんなって言うし」


「いや……あの……」



永人と話したくないなんて、そんなことない。
それなのに、上手く言葉が紡げない。



「千花?」



目の前のこの人は、優しい目をしてあたしのことをみてて。



「ごめんね」


「え?」



突然謝りだしたあたしに目を丸くする。



「諦め悪くてごめん、やっぱり永人が好き」


「なっ……」



予想外の言葉だったようで、永人の顔が赤くなる。



「すぐに諦めるのは無理なんだけどいいかな?」


「そんなの、いいとか悪いとか俺が決めることじゃねぇだろ」



ぽんっとあたしの頭を撫でる。