「ごめんな」


「え?」


突然謝ってきた永人に首を傾げる。

あの日の告白のことだろうか。
謝られるとまた振られている気分になってしまう。



「いや、千花の部屋なのに主がいない感じになっちまって」


「あーそっち……」


「え?」



思わず漏れてしまった本音が、永人に普通に聞き返されてしまいはぁっとため息を付いてしまう。



「千花?」


「あ、ううん。大丈夫。日奈子がいるときにあたしが買い物行くとかよくあることだから」



日奈子とは中学生の頃からずっとこんな感じだから、なにも心配なんてしていない。

それよりもこれからの話のほうが不安だ。



「ならいいんだけど」



近くの公園のベンチに永人が座るので、あたしも少し距離を開けて隣にちょこんと腰をかける。

くっついて座るような関係でもないし、適度な距離感というものがわからない。
いまこうしてる距離感が正しいのかなんてわからない。

あたしは告白したのもはじめてだったから、振られたことなんてなくてこんな状況は経験がない。