「沙菜?大丈夫?」
私は夢を見ていた
時計を見るとまだAM3:00
「あんまりうなされてるから心配したよ。」
そう言いながらお母さんは砂糖入りのホットミルクを入れてくれた
奏太くんが亡くなってから
夜中うなされることがすごく増えた
うなされるたびにお母さんがそっと起こして
ホットミルクを入れてくれる
「去年の夏頃から、うなされることが多くなったね。勉強のことならあんまり自分を追い詰めちゃダメよ?沙菜、頑張りすぎるところがあるから...」
お母さんは私に彼氏がいたことを知らない
だから、うなされるようになった原因を受験のストレスだと思っているみたい
「うん。大丈夫。もう一回眠るね。」
「おやすみ。」
何も考えないように
目を閉じて必死に眠ろうとする
だけど少しすると朝刊配達の音が聞こえて、さらにもう少しすると鳥のさえずりが聞こえてきて
その日は、とうとう朝まで眠ることができなかった