春馬が桃花の頬を引っぱたいた。
桃花か大好きな春馬がそんなことするなんて思ってなくて、私も周りにいたみんなも驚いてた。
「いい加減にして。今1番辛いのは桃花じゃないだろ!颯斗だろ!?死っていう恐怖が近くに迫って、みんなの記憶も少しずつ忘れてって。そりゃ忘れられるのは辛いよ。でもな、颯斗が今感じてる恐怖に比べたら、俺たちの苦しみは比べる対象になんてならないんだよ!」
初めて、春馬がこんなに怒ったところを見た。
いつもお調子者で、みんなのムードメーカーみたいな感じだったから。
「っ!」
「あ、桃花!」
私は走ってく桃花を追いかけた。