ドキッ
もしかしてもうみんな気づいてるの?
「ど、どこって……」
「優杏。私も気になってた。家庭科部の教室から見てたよ。サッカー部の練習が終わった後、急いで学校を出て行く優杏の姿を」
桃花にも見られてたんだ。
手の平に汗がじんわりと浮かんでくる。
「教えて、優杏ちゃん。確か颯斗が学校を休んだ次の日からだよね?それと何か関係あるの?」
言いたくない。
だって、颯斗は誰にも言うなってお母さんに言ってたんだ。
それなのに、私がみんなに言って良いわけない。
「優杏ちゃん……」
「急いで帰ってるのは
お母さんの料理を手伝うためです。