「ふざけんなよ」
お母さんと話していると、その後ろから颯斗の声がした。
「颯斗!検査終わったの?」
「ああ。優杏、昨日言ったよな?お前を悲しませたくなかったって。なのに、何で傍にいるとか言うんだよ。そんなことしたって、お前が辛くなるだけだろ」
「……そうだね。でも、逃げたくないの。中学で出会ってから、ずっと颯斗のこと見てきたよね。いっぱい元気づけられた。だから今度は私が颯斗の役に立ちたいの。いつか言ってたよね。辛い時ほど人に頼るべきだって」
「っ……」
颯斗は唇を噛みしめた。
何か言いたいけど、言葉に出来ない。
そんな感じで。
「……勝手にしろよ」
そう言って、病室に入って行った。