この先輩は卒業してもほぼ毎日練習に来ていて、今年入学した1年も最初は部員だと間違えたくらいだ。 「先輩毎日来ていたから、あんまり引退した感じはしませんでしたけど」 私の隣にいた颯斗が、憎まれ口を叩いた。 「その減らず口聞けなくしてやろうか?」 先輩がそう言って、颯斗の首を抑える。 「ちょ、先輩痛いっす」 そして、部室に笑い声が響く。