「そろそろ帰ろうか」


























「そうだね。私、タクシー拾ってくるよ!」
















「ああ。頼む」















夕方だからそろそろ病院に帰ろうということになって、私はタクシーを拾うために水族館の前の道路まで出た。


















意外にもあっさりと、空車のタクシーを捕まえて颯斗の所へ戻る。



















「颯斗。タクシー拾って



















……颯斗!」


























水族館の入り口の前で待たせていた颯斗が


















とても息苦しそうに胸を抑えている。












「く、る、し……」























ど、どうしよう!






















颯斗が死んじゃう!






















そ、そうだ。救急車!























震える手で携帯を出して救急車を呼んだ。

























「はあ。はあはあ。はあはあ。ゆ、ず。ごめ、ん」

























「どうして謝るの!?

























今は喋らないで。























待ってて、もうすぐ救急車来るから!」


























息苦しそうにする颯斗を必死に励ます。



























救急車早く来て。


























颯斗の息が続くうちに早く。