店を出た私たちは騒がしいグラウンドへ向かった。












グラウンドで何かしていたっけ?












「あれ、春馬じゃないか?」













颯斗の指さす方向を見ると、たくさんのギャラリーの先に舞台に乗って何やら楽しそうに話している春馬の姿があった。何をしているんだろう。













誰と話しているんだろう、とよく見てみると春馬の横に桃花の姿があった。
















「二人で何をしているんだ?」





颯斗の言葉に私は頷く。













春馬と桃花が司会をするイベントってこれのことだったのかな。












「そろそろか。あ、いた!」












春馬がマイクを持ってそう言いながら私たちの方へ駆けてきた。












ギャラリーのみんなが一斉に私たちを見る。なんか今日は目立つことばかり経験している気がする。














「優杏ちゃん、颯斗。早く舞台の所へ来い!車椅子は俺が押すよ!」














ほぼ強引に春馬は私たちを舞台へと上がらせた。












一体何だって言うの!?












「よしっ!みんな準備は良いな!?」














春馬の声にギャラリーが一斉に声を上げる。準備って何の準備?


















「せーの!」



































「颯斗くん。誕生日おめでとう!」




































ギャラリーのみんながそう言った途端、後ろにあったくす玉が桃花の手によって引かれた。