「こんなの、大したことありません。だから、下げないでください」 「大河……」 大河というのは、部長の名前。 部長……大河先輩は笑顔を浮かべて先生に言った。 どうして無理するんだろう。 「だがあな、ケガをしてると分かってて、見過ごすわけには……」 「颯斗の方がよっぽど辛いだろ!」 大河先輩は先生の言葉を遮って大声で言った。 もちろん、私たち以外には聞こえてない。 「し、知ってたのか?颯斗の病気のこと……」