「先輩。俺、やっぱ1人じゃ無理です。誰か一緒に……」
泣きながら部長にそう訴える1年の子を見てると、何だか私まで泣けてきた。
サッカー部の良さはきっとこういうとこなんだろうな。
「ああ、もちろんだ。じゃあ、明日当番の奴が行くか。って、俺じゃないか」
部長の自問自答に、春馬が突っ込みを入れた。
「先輩。今時そういうことやりませんよ」
「余計なことは言わなくて良い」
さっきまで重い空気が流れてたのに、今はもう笑い声が溢れてる。
どんなことでも、明るい方向に持って行けるこの部活のメンバーは最高だと思う。
「優杏ちゃん。教えてくれてありがとう。辛かっただろ?」
部長が私の頭を撫でてお礼を言ってくれた。
感謝されるようなことしてないのに。
「いえ。みんなに言えてほっとしました」
みんなに打ち明けたことで、少し気が楽になった。
昨日感じてた鉛が少し楽になったきがする。