優真「けれど、下っ端も、海里や海谷、誠、倉庫全員が琴を信じました。




僕も、琴を信じていました。でも、哀れに思えたんです。亜夢が。それに、僕が1人、反対の意見を




持ったところで、琴が総長を降りる事になるなんて、思いもしませんでした。きっと、僕の間違いを




正してくれる。勝手にそう思い込んでいたんです。けれど、琴はそう言う人間では無いことを、




すっかり忘れていました。その結果、琴は1年弱、姿を消してしまいました」




優真は、あの時完全に、私を信じていなかった訳では、無いんだ。




それだけでも、嬉しいな。




優真「僕は悔やみました。僕がもしも、あの時琴を信じていれば、琴は、黒蝶は、笑えていた




はずなのに、と」




「優真」




優真「けれど、同時にこうも思いました。琴が守っていたこの黒蝶を、守らなければと」




「そっか」




優真は、後悔していた。




亜夢が、裏切り者だったと分かる前から。