そんな流が今、圭から離れようとしている。


圭は、また自分が空っぽになってしまうんじゃないかって怯えている。


でもそれは違う。


流は流で、圭のことをしっかり考えているし
もしかしたら私なんかよりも、ずっと頼りにしてるよ。



それを、圭も分かっているから。

圭は強く握っていた拳を和らげ、流の方を見た。



「流...、さっさと終わらせろよ。
それが終わったら、お前は自由なんだからよ...っ」



圭の言葉に、流は口角を上げ、「ああ」と嬉しそうに言う。



「紬、見とけよ。
あれがお前が惚れた男だ」


私の隣に立つ圭。

その瞬間、付き合っていた頃に感じてた、彼への不満は...もう消えた。


やっと私達は、平らな関係になれたね。