「いいぜ、別に俺は2対1でも。」
流が訳の分からないことを言い出すから、夭嵐の2人......、そして圭まで驚いた表情をみせる。
「その代わり、ムギを離せ。
2対1なら、もしかして俺に勝てるかもしれねぇハンデに......もちろん乗らねえわけがねぇよな?」
流が口角を上げる。
「ふざけんな流...!
お前また無茶なこと言って、いい加減に...っ」
「圭。
俺はお前に夜季の特攻服を返したはずだ」
「...っ」
「わかってんだろ?
これは俺自身と夭嵐のことであって、夜季はもう関係ないんだよ」
「...」
「俺、神庭流は。もう夜季を脱退した身だ。
自分の喧嘩に、お前を巻き込んでたまるかって。
だから、黙って見てろよ。夜季の"総長"さん」
自ら選んだ道に、手を伸ばすように。
流は圭に現実をつきつけ、足を1歩前にだし
勢いよくこちらに向かってくる。
坊主頭の前に、若葉が立ち。
ユラリと不気味に揺れ動いて、流と拳をまじえる。