「若葉.....、お前はとことん汚ねえ男だな。
あの時、俺に負けたくせに。潔く負けを認めもしないで、紬を人質にとり、山崎まで......。

ふざけんなよお前」



黒いオーラを身にまとう流が、今まで見た事のない怒りをあらわにする。


坊主頭の男は、相変わらず、私を掴む手を緩めない。


若葉は流の怒りを引き出せたことが嬉しいのか、愉快そうに笑って、その怒りを煽る。



「2対2。しかも互いの族の総長と副総長。
ここでケリをつけるのもありじゃないかなー...?
でもこっちには人質...紬ちゃんがいるから、そっちはフリかもね。


やっと復讐できる。
あの時は油断していた...けど、今回はそうはいかないよ」


若葉は首を回し、ボキボキと鳴らせる。



一瞬の隙をついて、逃げようと考えたが、さすが夭嵐の副総長だけあって、坊主頭に全然隙がない。


ーーだけど。