「圭...俺は。 お前が俺に立ち向かって、しつこく誘ってくれなかったら、暴走族の総長なんて絶対にやってなかった。」
「はあ?今更嫌味かよ」
「そーじゃねーよ...ただ。
自分が絶対にやろうとは思わなかったことを、お前と関わって、やってるなんて。...人との繋がりってすげぇなって。単純に思っただけだ」
流は懐かしむ様に、笑っていた。
「だが、力のあるお前らを護ることは出来た。
俺がいなくてもやっていける連中ばかりで、圭、お前だって実際。1人でも上手く夜季をまとめてたじゃねーか」
1度手を止めた2人が、向き合いながら息だけは荒らげている。
流の瞳は圭と向き合おうと必死なのに。
圭は流の真剣な表情を見たくないと、逸らすばかり。
圭は夜季という形で、流を縛っていたいのかもしれない。
男だって、女だって。 友情が壊れるのは、誰だって怖いもので。
信頼しているからこそ、深く繋がっていたい。
1度でも、自分の存在を分かってくれる人がいたら、そりゃあ誰だって依存してしまうものでしょ...?
私、圭の気持ち、痛いくらいに分かる。
しかもそれが...どんな相手でも自然に歩幅を合わせてくれる流だからこそ。
失いたくないんだって...必死になってしまうんだよね。