コツコツコツ…
『…真っ暗。さすがに夜の公園って不気味。』
早く通り抜けよう…と思った矢先。
「オネーチャン、一人?」
…またか…。
「オレたちと遊ぼーよー」
『…遊ばない。』
「もー連れないナー。」
「でも暇だよネー?こんなところをほっつき歩くなんて暇人しかいないよネー?」
『…貴方みたいに暇じゃない。明らかに不審者。通報するよ。』
「いやいや、暇だよね?」
「オレたちとイイことしよーよ。」
ゾッとした。こんなに恐怖になったのは久しぶりだ。
『…嫌。離して。』
腕を掴まれてしまった…本気で捕まってしまった。
「良いから良いから」
「ほらほら、行こうって」
男2人対女1人。さっきは掴まれてなかったから殴れたり避けたりしたけど、男女の力の差は明確で
『…ッ離して…!!』
引きづられようとしていた。
もし公園を通らなかったら、こんなことは多分起きてない。…最悪だ。
『…離してッ…嫌…!』
「オイ。」
「…?どこから声してんだ?」
「気の所為じゃね?」
「オイ、お前ら。女に手ぇ出すな。」
男二人の背後から人影と声が聞こえた。
「ヒッ…て、テメェは…!」
「ウチのキングに何言うてんねや。もっと言葉謹め。」
「ヒッ…!お、お助けエエエエエエエエエ…!」
男二人は尻尾巻いて逃げていった。…良かった、助かった。
「…大丈夫か。」
『…あり…がと…。』
少しホッとした…と同時に体が震え出した。
ああ、こんなに私怖かったんだと、改めて思った。