彼らをスルーして階段を上るこの人は、ずっと無表情で不気味だ(人のことは言えないけど)。



そしてどこかの部屋の扉を開けると、私をゆっくりとソファーに座らせた。



『…あの、ここは…』



「ああ、ここ?ここは俺らの…秘密基地なんや。」



『秘密…基地…?』



「そうそう。あ、なんか飲む?」



『いちごみるく』



「そんなんここに無いわ。男ばっかりのむさ苦しいところにそんな可愛い飲み物無い。」



『…いちご…みるく…』



「無い。」



『いちg』



「無い。」



『……。お茶…。』



「それならある。ちょっと待っててな。」



それからあの関西人っぽい人はどこかに消えてら私を抱き上げてた当の本人は何故か私の隣に無言で座っていた。



『……。』



「……。」




なんとも言えない微妙な空気が漂っていた。




「…オイ。」



『…?』



「…大丈夫か。」



『…コクコク』



「…そうか。」



この人が言ったことを私はただ首を上下に振った。