龍華って結構しぶといなぁ。


「なら私、クラスの子に紅須さんの事聞いてくる!」


「あ、さくら!!」


猫宮さんは一人でさっさと屋上を走って出ていった。


それを慌てて追いかけていく龍華。


「……ほんとーに計画通りに動いてくれるなぁ。」


誰も居なくなった屋上。


あたしが呟いた言葉だけが小さくこだました。








「あ、紅須さん!」


二学年の階に来たとき、猫宮さん一人があたしの元に飛んできた。


「猫宮さん……」


「クラスの子に聞いたら、紅須さんやっぱり悪い人じゃないって!」


ニコニコ笑顔で教えてくれた猫宮さんの奥から龍華の人達が急いで走って来る。


龍華も大変ね。こんな姫がいたら。目を離せないでしょ?


「あ、秋!紅須さんと賭けしてくれるでしょ?」


「…………さくらに免じてだ。」


間があってから、視線を猫宮さんから外す。