綺麗な黒髪であたしよりも結構背が高い男は、いつまでたってもあたしとの賭けを認めてはくれない。


「別に良いじゃない!!姫になりたいとか言ってるわけじゃないんだから!」


もっと言うと、賭けをすれば、あたしと龍華は絶対に仲間にならないんだから。


「……そういうのって一番怪しいタイプだよね~」


「……は?」


この場にいる男子の中で一番背が低いミルクティ色の髪をしている可愛い系の男の子がニコニコしながら、あたしに聞こえるように言ってくる。


少しイラつくことを言われるとは思っていたけど、これは凄いイラつく。


他の五人を見てみると、あたしを睨んでいる。


猫宮さんは心配そうな顔って言ったほうがピッタリかもしれないけど。


……あたしは賭けをしなきゃいけないのに。


アイツの命令だから、やらなきゃあたしが怒られる。


一回、引いてみるか。


「……なら良いよ。諦める。……迷惑かけてごめん。」


俯きながらトーンを低めにそう言って向きを変える。