「……すごい。」


瀬月君が起き上がって説明したら、女の子がぽつりと呟いた。


龍華は全国No.1の暴走族。胸元までのびている茶色い髪を少し揺らしている女の子は、龍華の姫。


猫宮 さくら。


学校の中でも有名な龍華の姫だから勿論この子も有名。


凄く可愛いし誰にでも優しいから、男子にも、女子にもモテる。


すごいよね。


でも、あたしも凄くない?


だって今まで賭けをしてきて、ほとんど勝ってきた。でも…


「瀬月君、それちょっと違う。……一回だけ、負けたことあるよ。」


「は?あー、そうなの?誰に?」


「……幼馴染みに。」


そう。中学生の頃に、初めての賭けをした。その時、そいつにたった一回だけ負けた。


まぁ、それ以外は全部勝ってきたんだけどね。


「で、本題に戻るんだけど……。あたしと賭けをしてくれない?」


「どういう?」