……授業の時もあまり見なかったな。
取り合えず最上階まで来て、屋上の重い扉を猫宮さんがなんの躊躇もなく開ける。
「皆、お待たせ~」
皆が座っている所に猫宮さんだけが近付いていく。
あたしは中に入ってすぐに、扉の近くの壁に寄りかかりながら座る。
いつもこういう風な流れ。
あたし自身から皆の近くに行かない。
近付きたくても近付けない。
皆があたしにとっては、凄く眩しいの。
「あっ、未音ちゃんってば、またそんなとこに座って。ほら、こっちに来なよ!」
「……うん。」
作った笑顔で皆に近付く。
「……どうせそれも演技なんだろ。」
座ろうとした時、照沢君がぽつりと呟いた。
「ちょっと、海!!」
「さくらはこいつを信用しすぎなんだよ!!こんなやつ、本当はここにいるべきじゃないんだぞ!?」
「……。」
へぇ、そんな事思っていたんだ。