「……初めまして。あたし、二年三組の紅須未音。……あたしと〝賭け〟をしない?」


あたしは今、屋上に寝そべっている六人に声をかけた。


「……賭け?」


一人がゆっくり起き上がりあたしを見上げる。


「そう!龍華の皆さんとも賭けをしてみたいなぁって思って。」


満面の笑みを浮かべてその一人を見ると、明らかに怪訝な顔をしている。


「……もって事は他にもやったことあるのか?」


「……うん!勿論!!……瀬月君なら知ってるよね?」


一番端で寝そべっていた一人に視線を移す。


瀬月 涼。あたしと同じクラスで、龍華の幹部。


「あぁ。……知らないのは多分お前らだけだよ。」


「はぁ!?そんなに有名なのかよ、こいつ」


「当たり前だろ。俺らは授業にあんまり出てなかったり、仲間以外と少ししか喋らないから知らないだけ。こいつの事は一年も三年も知ってる。……今まで賭けに負けたことねぇんだよ。」