「司さん、ご飯が出来ましたよ。司さんの右下に味噌汁左下にご飯左上にきゅうりの漬物、右上に肉じゃがあります」と机の上置いてあるどこにどういうものがあるのかを説明する
「ありがとう。いただきます」
手を合わせて右手に箸を渡す
18歳まで見えていた箸の感覚でご飯を口に入れて食べる
本当に見えていないの?なんて聞いてしまいそうになる
でも本当に見えていないから私は口を閉じる。瞼を閉じているのだから見えていない。一回も瞳を見たことがない
決して瞼を開けることはない
私が今見えているのは当たり前なんかじゃないと感じる
「ありがとう」
「はい、口開けてください