「今、追っかけ女って言いましたね?
ショックです。一華って呼んでください!」
「嫌だよ、追っかけ女でいいよ」
ぷーっと頬っぺたを膨らます
姿はちょっとだけ可愛かった。
「なんでこんなに付きまとうんだ??」
欺瞞を投げかけると
「好きな人のそばに居たいからです!!
あ、迷惑でしたか??」
突然目を潤ませて、
「いや、迷惑ではないけど。
ちょっと疑問に思っただけ。
別に好かれるようなことした覚えないし
俺、女はみんな一緒だって思ってるから
好きにはならないと思うよ。」
「 私、何を言われようと
迷惑だって思われないかぎり
追っかけます!!!」
「ふっ」
思わず笑ってしまった
大抵の女はこういうと去っていく
「すげぇな、まぁせいぜい頑張って」
そう言って、頭をぽんっと叩いた。
その瞬間、
グイッと体を引っ張られ
チュッ...
追っかけ女と俺の唇が
重なった。
唇が離れると
「高嶺くんが悪いんですよ!
頭ぽんってするから」
顔を真っ赤にさせた。
「...結構やるな。」
ボソッとつぶやいた
顔を真っ赤にさせてるのが
すごく可愛く見えて
今度は自分からキスをしそうになってしまった。
「...高嶺くん??」
その言葉にハッとして
顔を背けた
「ごっ、ごめんさい。急に
嫌な思いさせてしまって」
「いや、いいよ。
けど、こんな事して
ただではすまと思ってないよね??」
「へ???」
あのキスから数日たったある日
「高嶺くん、本当にいいんですか??」
「うん。むしろお願い。」
「私、高嶺くんの彼女になれるんですね!!」
「いや、仮だから。」
すごく嬉しそうにしている
いや、女よけの仮の彼女なのに。
「仮の彼女でも、すっごく嬉しいです!」
「頑張ってくれよ。」