次の朝。
私と里沙はいつも通り8:00の電車に乗った。
タタンタタン・・・。
電車に揺れながら、里沙が口を開いた。
「昨日はどうだった?ちゃんとお兄ちゃんとお話しした?」
「うん、したよ・・!昨日はね、お兄ちゃんの彼女さんも来てたの。」
お兄ちゃんの彼女さんとは中学生ぶりに会ったけれど、凛とした綺麗な女性になっていたのでとても驚いた。
「そうなんだ・・!来年は私も行くよ!お菓子持って行くね!」
『まもなくー羽佐間町、羽佐間町に到着します。』
あ・・・。
私は思わず、ドアの前から距離をとった。
「ねぇ、菜乃花」
里沙が私の肩を叩く。
里沙は駅のホームを指差した。
「あれって昨日の人じゃない?」
ホームの跨線橋の階段近くで女の子と話している彼を発見した。
いや、正確に言うとあれは・・・。
「・・告白だね。女の子があの人に告白してる」
女の子は顔が少し赤くなっているように見えた。
そっか、確かに顔つきもいいからモテちゃうのも仕方ないよね。