出会った
いや、正確には今一目見たばっかりの子に恋などという感情が芽生えるはずもなく
これは何かの間違いと思うほかなかった
「全く、歳をとると奇想天外な心の動きをするもんだ」
なんて言葉も空も切った
静かな夜の暮れ
誰もいない夜の端
少女と目が合ったなど気づくはずもなくただひたすらに夜を見ていた

俺などと触れ合っても誰も得をしない
本当は名前を知りたいだなんて思ってしまうがしょうがない
少女を傷つけたくはない
だから俺は距離を置く
なんて言葉は夜の闇に飲み込まれた