Basket Ball Club2〜ずっと大好き〜



「も~最悪…」

ってちょっとイジけてみたら…



またまた3人揃って…

「ごめん!!」「わりぃ!!」ってそれぞれ謝ってくれた。


ちょっと嬉しかったっ!!

やっぱりこのメンバー大好きだって実感できる♪



ふと先輩に目をやるとこっちを見ながら手招きをしている。

ん?…なんだろう?


「なにー?どうしたのー?」

って言いながら私は、先輩の方に向かう。


片手を後ろにやっていた先輩が私が着くなり、私の目の前に手を回す。



「…えっ!?」

って思って先輩の手元に目をやると…結構大きめでうさぎのぬいぐるみを持っていた。


「やる。」

「…え?」

「だから…やるって。」

「え?…私に…?くれるの?」


一瞬何が起きてるかわからなかった。


「あぁ。…似てたからさっ。」

「えっ!?」

「こいつ…ガラス越しに居たんだけど、お前に似てて…」

って先輩は頭をポリポリしながら言った。


「似てないよっ!!でもっ!!!…ありがとうっ!!」

私は思わず嬉しくなって涙が流れてきた。






「お前は本当泣き虫だなっ♪」

ってニヤニヤしながら私の頭を撫でてくれた。


私はぬいぐるみを抱きながら先輩の手を握る。


「んぁ?」

ちょっととぼけた先輩の返事。

でも、嫌いじゃない。


「大好き。」

「・・・・・・っ!?」

先輩は驚いたのか、目をこれでもかってぐらい見開いていた。


「だいすきなのぉー!!」

私が改めて言い直すと、先輩はちょっとうつむきながら

「ばっかっ!!照れんだろーがっ!!」

って言って、私の手を強く握ってくれた。


「ふふっ」

私は自然と口の端が緩んでしまう。


「笑うなっ!!」

先輩は照れながらも私の手を更に強く握ってくれた。





私はその姿を優しく見つめる。

幸せだって…愛されてるんだって…実感できるから。


大好きだって言葉にどのぐらいの重みが詰まっているのか、今の私にはわかるから…。


だから私は幸せを感じられる。


「あんな…見るなよ…」

「どうして?」

私は口の端を緩めたまま先輩の顔を覗き込む。


「顔上げられねぇーだろ?」

「だって…先輩可愛いんだもんっ!!」

「…!?ってめぇ!!男に可愛いとか言うもんじゃねぇ!!」

先輩はそう言いながら私の頭に軽く拳を落とす。


「いったぁいっ!!」

「このぐらい我慢しろっ!!」

「やだぁ~!!」

「ば~かっ!!」

そう言ってまた私の頭に拳を落とす。


「もぉ~!!」

と言いながら私は頬を膨らませる。


でも、こういうのも好き。

今までの自分だったら絶対先輩とこんな関係になれるはずないから…。








あ…また、流されてる。

私は気づけばいつも先輩のペースに流される…。



私がいじわるしてるつもりなのに、気づけばいつもいじわるされてる…。


そんな流されやすいのかな…?


それとも先輩は慣れてるのかな…?


先輩かっこいいし、性格もいいし、文句のつけようがないぐらい完璧な人だから、沢山の人と付き合ってきたんだろうなぁ…。


私なんて付き合ったのが先輩なんだよー…?

未熟すぎるよね…。


私は先輩と釣り合ってるのかな…?


私は初めてが先輩でよかったんだけど…先輩はどう思ってるのー…?



ねぇ…?先輩…?私と付き合ってどう思ってるの…?


幸せだって思ったことあります…か…?






「未来…?どうしたの?」

「………?」

「…未来…?」

そう言いながら先輩は、私の顔の前に手の平を出し上下に振る。



「んっ!?えっ!?あっ!!ごめんっ!!」

私は我に返って急いで返事をする。


「何か悩み事?」

「あ-…大丈夫♪」

そう言うと、私は周りを見渡す。


さっきまで横にいたはずの先輩は慶太と肩を並べて楽しそうに話している様子だ。


私の横に今居るのは真央だった。


「不安?悩み?どうしたの?」

真央はいつも私の不安に気づいてくれる…。


私って真央無しでこれから生きて行けるのかな?


「ねぇ…未来?」

「あ、何でもないよ!!ありがとう。」

「本当に…?」

「うんっ!!」

私は笑顔で返事をする。






「真央ー未来ー!!!」

先輩と楽しそうに会話していた慶太が私たちを呼んだ。


「?」

何だろうと思って振り返ると…


「ソフトクリーム食うか?」

「え…?」

「食うのかー?」

先輩の横で笑顔のまま慶太は私たちに話し続ける。


「たっ…」 「食べるー!!」

私が返事をしようとした時、真央に一足先に言われた。


「ねっ!?未来も食べるよね!?」

「うんっ♪」

「何味がいいー?」

私たちは近づいていけばいいものの、なぜか近づいていこうという意識はなく離れたまま会話をしていた。


「私はチョコー!!」

「私はミックスー!!」

それぞれ食べたいものを大声で叫ぶ。






「どうぞっ♪」

私の肩を叩きながら片手に2つのアイスを握っている先輩が背後に立っていた。


「あっ!!ありがとうっ!!」

私はゆっくり先輩の手からアイスを受け取る。


「先輩の味はなにー?」

「ん?巨峰だよ?何?食いてぇーの?」

「いや、何かな~って思っただけ!!」

「何だよっ!!じゃー未来の頂戴!!」

「え…?」

って言った時には私の手にあるアイスを先輩は少し舐めていた。


「うまっ!!俺もミックスにすればよかったな~…」

何て言いながら自分のアイスを食べる先輩。



「ちょっ!!先輩っ!!!」

かっかっかっ…間接キスっ!?


私の顔はみるみる赤くなっていく。

それを冷やすように私はアイスにかぶりつく。



「ん?未来?ここ暑いか?」

「あっ!!うぅん!!大丈夫っ!!!」

私は必死に隠し通した。





-先輩の気持ち-


今日は待ちに待った未来とデートの日♪

本当は2人っきりがよかったんだけど、未来がWデートしたいっていうから仕方なく承諾…。


でも俺もWデートは嫌いな方じゃないからいいかもしれない。

俺の部活の後輩の慶太とその彼女、そして俺の最高の彼女未来と行くデート。


今日はフリーダムなWデート。

俺はこのデートが決まった1週間前から楽しみで楽しみで夜も寝れないぐらいだった。



だからやっとこの日が来たんだ。

俺は未来と手繫いでデートをしたいから。



俺たちはそれぞれ肩を並べながら歩いていると突然未来が…

「私たちって本当幸せ者っ。」

って言うんだぜっ!?


俺…これ聞いた時、すっげぇ泣きそうだった。

幸せすぎて…嬉しすぎて…素直に言ってくれて…。


俺は未来のこと本当に大好きなんだって実感できたんだ。





未来が可愛すぎるんだ…もうこれ犯罪だよ。


可愛すぎて本当は抱きつきたかったけど…さすがにここでは無理だろ。


道路の真ん中だし人沢山いるし…。



でも…あいつはこの後俺の我慢を打ち切る行動に出たんだ。


ゲームセンターに向かう時、いきなり振り向いて…


「早くおいで~!!!」って…。


もう俺は我慢できなくなって未来の所に駆け寄り、思わず抱きしめてしまった…。


未来が悪いんだぜ?可愛すぎるんだもん。

俺が我慢できる訳ねぇだろ?


俺…男だぞ?こんなの我慢できる方がどうかしてるよ…。


未来…最近本当に可愛くなった。

付き合う前もすっげぇ可愛い奴だったんだけど、もっともっと可愛くなってる…。


未来は幸せ者だって言って言ってたよな?

本当に俺でよかったのか…?


後悔してねぇか…?満足か…?


俺で満足なんて…不可能だよな…?

でも、俺は本気でお前のこと…心から愛してるからなっ!!