「直哉ー?どうしたの?」

やっば…何か考えてたら南戻ってきてんじゃん。


どうしよう…やべぇな…何て言おう?



「おっ!あっ、南。ちょっと待ってた。」

ふと思いついたことを言う。


…ちょっと待ってた…って俺何言ってんだぁああぁあ!?



俺の口って操作出来ねぇーのか!?


「ま…待ってたって?何で?」

「いやー、一緒に帰ろうかなって思って。」

俺は南と帰る方向が正反対だって知っている。



「んー…先輩の所行かなきゃ行けないんだよね…」

あー…そっか…こいつ彼氏居るんだよな…。


何…俺、誘ってんだよ…。

まぢありえねぇーわ…。



「そっか。彼氏か。そうだよな。わりぃなっ!」

「いや、こっちこそごめんね。何か待ってたみたいだし。」

「そんな気にすんなって!じゃぁーな。」

「うんっ!ばいばいっ」

笑顔で階段を降りて行った。


また姿が見えなくなるまで見ていた。


……正直ショックだった…。


こんなに好きなのに彼氏が居る限り振り向いてもらえる可能性なんてねぇーんだよな…。


あ~ぁ…俺の恋も、もう終わったなぁ~…。