私はその姿を優しく見つめる。

幸せだって…愛されてるんだって…実感できるから。


大好きだって言葉にどのぐらいの重みが詰まっているのか、今の私にはわかるから…。


だから私は幸せを感じられる。


「あんな…見るなよ…」

「どうして?」

私は口の端を緩めたまま先輩の顔を覗き込む。


「顔上げられねぇーだろ?」

「だって…先輩可愛いんだもんっ!!」

「…!?ってめぇ!!男に可愛いとか言うもんじゃねぇ!!」

先輩はそう言いながら私の頭に軽く拳を落とす。


「いったぁいっ!!」

「このぐらい我慢しろっ!!」

「やだぁ~!!」

「ば~かっ!!」

そう言ってまた私の頭に拳を落とす。


「もぉ~!!」

と言いながら私は頬を膨らませる。


でも、こういうのも好き。

今までの自分だったら絶対先輩とこんな関係になれるはずないから…。