「何してんの?こんなところで。」

声の主は思った通り直哉だった。



「なにって…職員室に呼ばれたじゃん。」

「あぁ~、そういやぁそうだったな。お前なんかやらかしたんか?」

「…いやぁ、それが全く見に覚えがないんだよね。」

私はちょっと肩を落とす。


正直部活に行きたかったから。

早く先輩の顔が見たかった。



「ふぅ~ん。で、坪山は?」

「何か会議なんだってぇー…」

「いつ来んの?」

「事務の先生によると、5時に終わるって言ってた。」

「5時かぁー…」

直哉は時計に目をやり時間を確認している。



「まだ30分もあんじゃん。あー…俺、どうせ暇だから相手してやるよ♪」

「えーっ、そんなわざわざいいよ。迷惑だろうし。」

「俺が相手したいって言ってんのー!」

笑顔で直哉はそう言った。



-ドキッ


何か、こんなこと言われるとドキドキする。



直哉は優しくて頼りがいがあるから女の子にはよくモテる。

直哉を思う女の子は数知れないだろう。


でもなぜか彼女を作ろうとはしなかった。


それが女の子をもっと集める理由なのかもね?