「…い!おーい?南っ!みーなーみーっ!」

「…えっあっ…!?はいっ!!」

「大丈夫か?お前?」

先生は私の名前を何度も呼んでいたらしい。



「…えぇ。」

「あとで職員室に来い。」

「…はい。」


私は何を考えていたんだろう?

空に流れる雲を必死で目で追っていたのはわかる。



-トントンッ…

また後ろから誰かにつつかれた。


当然のごとく、直哉だった。


「おい?本当に大丈夫なのか?」

心配そうな顔で私を見つめる。


「うん。」

そんな目を、私は逸らすことができなかった。




-ガラガラっ…

少し重いドアを開けながら職員室に入る。


「失礼しまーす…」

ちょっと慌ただしい職員室に入ってすぐ、目の前に居る先生に声をかける。


「あのー…坪山先生いますか?」

坪山とは私の担任のことだ。