「はぁはぁ…」

私の息はひどく乱れている。


急いで帰らなきゃ!!という気持ちと早く先輩に会いたい!!という気持ちでかなり走ってきた。


歩くより走るほうが遠く感じるのは気のせいだろうか?


足元にある水溜りを飛び越えた瞬間、先輩の姿が目に入った。



玄関の前に体操座りをしてちょこんと座っている先輩。


その横には先輩の青い傘。



「先輩、顔を上げてください。」

『え?』

私は笑顔で先輩に向かって手を振る。

『おぉ!!!!おぉおー!!!!!!!未来ー!!!』


「先輩、上がりすぎ!!」

『だって、未来に会いてかったんだよー!』


私たちは近くにいるのになぜか電話を切ろうとはしなかった。


いや…むしろ忘れてたに近い。





「あ、先輩電話。」

「おっ!?そうだなっ。あ、どうしてサングラス?」

「これはー…」

「あぁ~!!!腫れてんだっけな?くくく…」

「ちょっと!!!!」

先輩は肩を震わせて笑っている。



でも、こういう時間も嫌いじゃない。