「…ただいまぁ~…」

私は小声で音を立てずにゆっくり家に入る。


“ガチャー…”

でもドアを閉める時は絶対に鳴ってしまう音。


こういう時には鳴らないでほしいと思うけど鳴ってしまう…。

それに気づいたのかリビングの電気が付いた。



「げっ!!」

って思わず言ってしまった。


目を擦りながら玄関の方に歩いてきたのはトイレに向かう父の姿だった。

私の存在には気づいてないみたいだ。


あくびをしながら目を擦りながら、フラフラした足取りでトイレに向かう。


“カチャ…”

暗い廊下にトイレのドアが閉まる音が鳴り響く…


“ふぅ~よかった…”

私は心の中で胸をなでおろす。


そしてゆっくりと忍び足で自分の部屋に入る。


私は電気を付け、鏡の前に座る。

今日は泣きまくって腫れ上がった目。


とても醜い顔だった…先輩と歩いてるのが夜でよかった。


こんな顔…とても先輩には見せられないから…。