「とにかく…両親に話してからじゃねぇと話は進まねぇよ…」

「はい…迷惑かけます。」

「お前、本気でこいつのこと好きなんだろ?」

「はい…それは本気です。」

「なら…もっともっと愛してやれ!!順序が間違ってると俺は思うぞ。」

「はい…それはもうわかってます。反省してます。」

「なら、俺らは帰るわ。頑張れよ!!」

「はい!!ありがとうございます!!」

慶太は深々と頭を下げて私たちが視界から消えるまで頭を上げることはなかった。



「せんぱ…い?」

「俺は…お前を大事に思ってるからそんなことしないけど、心から愛してるからな?」

そう言ってゆっくり優しく抱き寄せてくれた。


今までの不安が一気に消えるようだった。

でも、私の中から不安が消えることはなかった。



真央が学校をやめる?

私の傍に真央がいなくなる?

寂しいじゃん…毎日真央に会えないんでしょ?


真央…学校やめるの?


気づけば私は先輩を思いっきり抱きしめていた。