ゴソゴソとポケットの中を探る先輩。


ん…?

何してるんだろう?



私の頭の中には疑問符がぐるぐる回る。


「はい。」

そう言ったのと同時に先輩は私に手を差し出した。



その手の上に乗っている、

小さな1つの箱。



何だろう…?


「開けてみ?」

そう言いながら先輩は優しく微笑んだ。



私はゆっくりとその箱を開ける。


「あっ…」


その箱に入っていたのは、

指輪。




と…第二ボタン。


「これ…」


「俺とペアの指輪。これしてっとずっと一緒に居るみてぇだろ?あと…誰にも取られねぇーよーに、ちゃんとボタン取ってたんだよ。」



「…嬉しい。」

私は溢れる気持ちが涙に移っていた。