私は心から後悔した…。


何であの時、直哉を軽く抱きしめちゃったんだろう…?って…。



あの時、もし先輩が見てたのなら…?


私…、どうしよう。


私の涙は大粒に変わって、多く流れていた。



「電話…してみる…。」


「そぅ、頑張ってね。お母さん、下に居るから何かあったら降りておいで。」


そう言って優しく頭を撫でて、部屋を出て行った。



真央が居ない今、私が頼れるのはお母さんしか居ない。



―ねぇ、真央?

真央だったら何て言うかな?


今の私には、やっぱり真央の存在が必要だよ…。




私は携帯に手を伸ばし、

メモリーから先輩を引き出し、

しばらく画面を見つめる。



「はぁ~…」


私は不安になる気持ちを抑えて、

通話ボタンに力を入れる。