そして気づけば未来が俺の腕の中に居た。
顔が近かったからびっくりした。
はっ!?って思ったけど、考え直したら俺がしてたことだ…。
こういう状況になってしまったからこそ…
伝えようと思った。
俺は一息ついて…伝えた。
“好きだ”と…。
「ちょっ…直哉っ!離してっ!」
未来はそう言いながら俺の腕の中で小さく暴れている。
でも…俺は腕の力を緩めることはなかった。
「離さない。」
俺がそう未来に言ったとき、未来の動きが止まった。
「初めて見た時から、未来のこと好きだった。友達に向かって笑う笑顔…男女共に厳しい未来…すべてが可愛くて好き。未来がいつもボーッとしてる時は、本気で心配した。でも次の日には何もなかったように笑顔になってる未来がずっと好きだった。彼氏が出来たって聞いたときは、本気で死ぬかと思った。しかもその相手が一番モテる人だったとは…俺は絶対敵わないと思った。だから、気持ちだけ…俺の気持ちだけ知ってほしい…。俺はずっと好きだった…そして、これからもずっと南未来が好きだ。」
俺は今まで押し殺していた気持ちを全部伝えた。
なぁ…未来?
聞いてるか?俺の気持ち。
俺が今までずっと隠し続けてきた気持ち。
これが俺の本当の気持ちなんだぜ?
なぁー…未来?
俺に振り向いてくれる確率はねぇのか…?
俺がこんなにお前を思ってるのに…?
先輩から俺…ってなら…ねぇよな…。