―ツンツンッ

背後から誰かに突付かれる。


…背後って言ったら直哉しか居ないか。

私はそんなことを考えながら後ろを振り返る。



「なぁー…何であいつキレてんの?」

あいつ…あぁ!亜由美のことか…。


やっぱ鈍感すぎっ!


「しらなーい。ふふっ」

「はっ!?ふふっ、って何だよっ!」


「えー?何でもないよー?はははっ」

私は直哉と会話をしながら横目で亜由美に視線を移す。



―あっ…。やっぱ…。


目が合ったから、きっと…だね。



「ーい…おーいっ!」

「んっ!?はっ!?え?何っ!?」

何ボーっとしてんだぁ?


「え…別にっ」

私は意味深な笑みを浮かべながら答えた。