Basket Ball Club2〜ずっと大好き〜




「にしても…久しぶりだなっ♪お前…黒くなったなぁ!」

慶太…焦げたなぁ。


そんな仕事大変なのか?

無理とかしてねぇーか?



「本当久しぶりです!そうっすか?」

「あぁ。見ないうちに真っ黒!」

「そんな焦げてないっすよ~!!」

「いやいや焦げてるって!」


なぜか俺と慶太は張り合って話していた。


「はははっ!」

すると横から突然笑い声が聞こえてきた。


「何笑ってんだよっ!!」

俺は急に恥ずかしくなって怒鳴った。


「だって先輩と慶太の会話…何か面白いんだもんっ!」

お腹を抱えながら笑う未来と真央。


「慶太は確かにちょっと焦げたね♪」

真央が横からそう言った。



「真央までっ!」


こいつらって本当らぶらぶだよな。






「で?お前、仕事頑張ってるか?」

「あぁ。リーマンだけど外仕事多くて…」

「頑張ってんだな♪」

「まぁ、真央と子供の3人で一緒に幸せ掴みたいっすから♪」

そう言った慶太の笑顔は、今までにない輝きを見せていた。


「そっか。お前は立派になったな!」

俺は心からそう思った。



「あ、実は…」

いきなり何か思い出したような表情をして、小声で話し出した慶太。


「ん?どした?」


俺も慶太に吊られて小声になる。



慶太は真央の方をチラッと見て、俺に視線を戻す。


「俺…実は子供の名前を決めたんですよ♪」

「おっ!?マジっ?」


「はい♪男の子だったら将太、で、女の子だった茉莉(まり)。真央みたいな可愛い女の子になって欲しいっすから♪」


「そっか♪可愛い名前だし、かっこいい名前だな!じゃぁー今からどっちなのか楽しみだなっ☆」


「はい♪」


幸せそうな笑みを浮かべた慶太は最高だった。

俺も絶対未来ともっともっと幸せを掴んでやろうと思った。



慶太と真央以上にな。







「じゃぁー…俺らそろそろ帰るわ。」

気づけば真央の家に行って3時間も経っていた。



「あっ、うんっ!またいつでも来てね♪」

「じゃーなっ!」

真央と慶太は笑顔で見送ってくれた。


「真央っ!安静してないとだめだからねっ!」

「はいっ!気をつけます♪」


「じゃぁね♪」

私と先輩はまた手を繋いで帰る。



「今日は楽しかったね♪」

「あぁ♪俺らも子供欲しいなぁー!」

「ねぇー!」


「まだ我慢かなっ!」

「ごめんねっ!」

「お前は悪かねぇーよ!卒業するまで我慢なぁー!」


「そしたらたくさん子供作るんだぁー!」

「はははっ♪楽しみだなっ☆」


私と先輩は笑顔でそう話す。








「おっはよ〜♪」


「今日は朝っぱらからテンション高いなぁ〜!!どうしたの未来?」

私たちは入り口に立って会話をしている。


「え?何もないよ〜?はははっ!」



私はなぜか今日…テンションが高かった。


それはなぜ?



私にはこのテンションの高さに疑問を抱く。


「お前…朝から変だな♪」


そう言って私の肩にポンッと叩き、教室に入って行ったのは直哉だった。



−ドキッ…


何で心臓が反応してんの!?



意味わかんないっ!!!


「……く?……未来?聞いてる?」



「えっ!?あっ!!ごめん、聞いてなかった。なに?」


「うぅん、別にいいんだけど…上がったり下がったり忙しいねっ!!ははっ♪」



「本当ごめ〜んっ!!」


そう言った後、私たちはそれぞれの席に座る。






ん〜…?

さっきのはナニ…?



私…何でドキッとかなってんの…?


ねぇー…。



一体……この気持ちはナニ…?




ーバコッ!!!

「……いっ…たぁ〜…!!!」


私はいきなり頭をクラス名簿でおもいっきり叩かれた。



「痛いじゃねぇー!!南…お前最近ぼーっとしすぎ!!ちゃんと話し聞かんか!!」


「………はぁ〜い…」

私はヒリヒリする頭を撫でながら、やる気のない返事をする。



「はははっ!!何やってんの!!!」


隣に座っている友達…

佐藤亜由美に小言で突っ込まれた。


この子は一見おとなしいが、話してみるとすごく積極的でとても思いやりがある子。



「もぉ〜!!うるさいなぁ〜!!」

私も小言で亜由美に反発する。




「だって未来、最高なんだもんっ!!」


そう言った亜由美は、お腹を抱えながら笑っていた。



それを見た私は急に恥ずかしくなってきた。


「ちょっ!!!//亜由美やめてっ!!」



「はははっ!!くくくっ!!!」


亜由美の笑いはひたすら止まる気配が見えず、声を押し殺して笑っていた。




「ありえない…」

私がそう言うと、笑いすぎて目に溜まった涙を拭きながら、ごめんごめんっ!!と謝ってきた。







「…ぷっ!!」


ん…?なに?

何か聞こえた…?


あっ!!!!!!!


って思った時にはもう、お腹を抱えて笑っている直哉が視界に入った。



「くくくっ!!はははっ!!」


「ちょっ…!!!何よっ!!」


「なっ…なっ…何でもねぇよっ!!」

必死に笑いをこらえながら、直哉は言っている。




「もぉ〜直哉までっ!!」


私は直哉の頭を軽く叩く。



「いってぇ〜!!」

そう言いながらでこピンをされた。




「ねぇ…?」

私と直哉が話している間に、ふと、亜由美が入ってきた。



「「ん?」」

思わず直哉と声がかぶってしまった。







「直哉と未来って仲いいよね。最近。」


「そぉ?」
「そーか?」

また声がはもった。


「ほらっ!」

亜由美が勢いよく私たちに指を指した。



「え?何がよ?」

私はなぜほらっ!って言われたのか原因がわからなかった。


「何だ?」

直哉も不思議そうに首をかしげている。



「さっき!」

「さっき…?」


私はまだわからないままだった。



「もぉ~!声が2人、はもってんのっ!」

ちょっと頬を膨らませて亜由美は言った。



「いやいやっ!まぐれだって!」

「そうだよっ!」

私と直哉が断固否定する。






「しかも…」


ちょっと俯きながら亜由美は話を続けた。

「え?しかも、何?」


「最近よく2人話してるじゃん!」

ん…?

亜由美何かキレてない?


「だって、席ちけぇーからしゃーねぇーんじゃね?」

私が気のせいだよ!って言う前に直哉が反応した。



「ふぅ~ん。」

そう言った亜由美はそっぽ向いてしまった。


私はそっぽ向いてしまった亜由美に、気のせいだよ!と言ったのに、亜由美は無反応だった。



…もしかして…?

あとで聞いてみようっと♪



私はふと直哉の方に視線を移すと、まだ首をかしげている直哉が居た。



…直哉…鈍感っ!!

ぷぷっ!


私は心の中で直哉の鈍感さに笑ってしまった。





―ツンツンッ

背後から誰かに突付かれる。


…背後って言ったら直哉しか居ないか。

私はそんなことを考えながら後ろを振り返る。



「なぁー…何であいつキレてんの?」

あいつ…あぁ!亜由美のことか…。


やっぱ鈍感すぎっ!


「しらなーい。ふふっ」

「はっ!?ふふっ、って何だよっ!」


「えー?何でもないよー?はははっ」

私は直哉と会話をしながら横目で亜由美に視線を移す。



―あっ…。やっぱ…。


目が合ったから、きっと…だね。



「ーい…おーいっ!」

「んっ!?はっ!?え?何っ!?」

何ボーっとしてんだぁ?


「え…別にっ」

私は意味深な笑みを浮かべながら答えた。



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