*****
瀬良先生にフラれ牧野くんをフッた翌日、牧野くんとは気まづかったけど私はいつも通り朝練に参加し、一通りマネージャーの仕事を終えてから教室へ向かう。
今朝は、当番じゃ無かったのか瀬良先生は校門には居なかった。
今頃は保健室でココア…飲んでるのかな?
なんて…
諦めなきゃいけないのに、無意識のうちに瀬良先生のことを考えてしまっている自分に腹が立つ。
靴箱で上履きに履き替えていると、なんだかいつもより女子の皆さんの視線が突き刺さってくるような気がした。
変だな?と思いながら教室へ行くと、杏里が私の腕を掴み強引にどこかへ引っ張って行く。
「え?え?なに?杏里っどこに行くの???」
「いいから、黙ってついて来なさいっ」
そう言って杏里が連れて来たのは、初めて杏里と会話を交わした非常階段だった。
後で知ったんだけど、この非常階段は杏里のサボり場所だったらしい。
誰も来なくて静かでいいんだって。
「ちょっと、どういうことなのよっ」
杏里が私の肩をガシッと掴み、揺らしながら言った。
「え?何が??」
「何が?じゃないよっ。陽菜、牧野と付き合うことにしたの?」
………………え?
どういうこと?
「陽菜と牧野が教室で抱き合ってる画像が、生徒の間で出回ってるんだよっ」
「えっ⁉︎ 何それっ」
驚く私に杏里は、自分のスマホをスカートのポケットから取り出し見せてくれた。
その画像は、昨日の放課後のものだった。
どうして、この画像が?
あの時…誰か居たの?
「アングル的には廊下から撮ってるね…。ドアの隙間から隠し撮りって感じ」
杏里が画像の端を指差しながら言う。
確かに扉のようなものが少し写っていた。
……ん?この赤いものは何だろう?
まぁ、どっちにしても、この画像を見た人は私達が付き合ってるって思うよね?
「ーーーで?牧野とは付き合ってるの?」
「………付き合って、ないよ」
昨日の放課後、あのまま牧野くんと付き合ってしまおうかと思ったけど、やっぱりそれは違うんじゃないかと思ってお断りをしたんだ。
「そっか。他に好きな人がいるのに、付き合うはず無いか…」
「えっ?他に好きな人って///⁈」
「陽菜は、、瀬良のこと…好きなんでしょ。私にバレてないと思ってんの?」
「…バレてないと思ってました///」
「もうっ…そんな鈍感な陽菜も可愛くて好き♡」
杏里が私をぎゅっと抱きしめる。
どうやら杏里は抱きしめ癖があるみたい。
杏里みたいな綺麗な人に抱きしめられると、なんだかこっちがドキドキしちゃうよ///
「ーーで?陽菜は瀬良に告ったの?」
杏里が胸の前で手を合わせて、目をキラキラさせている。
「え…っと、、、実は昨日、フラれちゃいました」
へへ…と苦笑いをしながら私は杏里に言った。
「…うそ」
杏里がボソッと言って驚いた顔をしている。
「嘘じゃないよ。きっと、瀬良先生は……雨宮先生みたいな色気のある大人の女性が好きなんだよ」
自分で言っておきながら胸がズキッとなる。
「雨宮なんかより、陽菜の方がずっと、ずーっと可愛いし、色気だってあるよっ」
杏里が私の両肩に手を置いて、力一杯に褒めてくれた。
「ありがとう、杏里…」
瀬良先生にフラれた辛さと、友達が側で励ましてくれる幸せで、どちらの感情なのか分からない涙が私の目からポロポロと落ちていく。
「泣かないでよぉ…陽菜に泣かれると私まで悲しくなっちゃうよぉ」
杏里が瞳をウルウルとさせながら言った。
「へへ…ありがとう。私、杏里と友達になれて本当に嬉しいよ…うっ…これからも仲良くしてね…」
「当然じゃんっ。私の方が陽菜とずっと友達になりたかったんだからっ///私の方がありがとうだよぉ」
綺麗な顔をクシャクシャにして一緒に泣いてくれる杏里。
私にこんな素敵な友達が出来るなんて思ってなかった。
瀬良先生とリュウさんを見ていて、友達っていいなって思ってたから…
私もあの二人みたいな関係に杏里となれたらいいなーーーーー
瀬良先生にフラれ牧野くんをフッた翌日、牧野くんとは気まづかったけど私はいつも通り朝練に参加し、一通りマネージャーの仕事を終えてから教室へ向かう。
今朝は、当番じゃ無かったのか瀬良先生は校門には居なかった。
今頃は保健室でココア…飲んでるのかな?
なんて…
諦めなきゃいけないのに、無意識のうちに瀬良先生のことを考えてしまっている自分に腹が立つ。
靴箱で上履きに履き替えていると、なんだかいつもより女子の皆さんの視線が突き刺さってくるような気がした。
変だな?と思いながら教室へ行くと、杏里が私の腕を掴み強引にどこかへ引っ張って行く。
「え?え?なに?杏里っどこに行くの???」
「いいから、黙ってついて来なさいっ」
そう言って杏里が連れて来たのは、初めて杏里と会話を交わした非常階段だった。
後で知ったんだけど、この非常階段は杏里のサボり場所だったらしい。
誰も来なくて静かでいいんだって。
「ちょっと、どういうことなのよっ」
杏里が私の肩をガシッと掴み、揺らしながら言った。
「え?何が??」
「何が?じゃないよっ。陽菜、牧野と付き合うことにしたの?」
………………え?
どういうこと?
「陽菜と牧野が教室で抱き合ってる画像が、生徒の間で出回ってるんだよっ」
「えっ⁉︎ 何それっ」
驚く私に杏里は、自分のスマホをスカートのポケットから取り出し見せてくれた。
その画像は、昨日の放課後のものだった。
どうして、この画像が?
あの時…誰か居たの?
「アングル的には廊下から撮ってるね…。ドアの隙間から隠し撮りって感じ」
杏里が画像の端を指差しながら言う。
確かに扉のようなものが少し写っていた。
……ん?この赤いものは何だろう?
まぁ、どっちにしても、この画像を見た人は私達が付き合ってるって思うよね?
「ーーーで?牧野とは付き合ってるの?」
「………付き合って、ないよ」
昨日の放課後、あのまま牧野くんと付き合ってしまおうかと思ったけど、やっぱりそれは違うんじゃないかと思ってお断りをしたんだ。
「そっか。他に好きな人がいるのに、付き合うはず無いか…」
「えっ?他に好きな人って///⁈」
「陽菜は、、瀬良のこと…好きなんでしょ。私にバレてないと思ってんの?」
「…バレてないと思ってました///」
「もうっ…そんな鈍感な陽菜も可愛くて好き♡」
杏里が私をぎゅっと抱きしめる。
どうやら杏里は抱きしめ癖があるみたい。
杏里みたいな綺麗な人に抱きしめられると、なんだかこっちがドキドキしちゃうよ///
「ーーで?陽菜は瀬良に告ったの?」
杏里が胸の前で手を合わせて、目をキラキラさせている。
「え…っと、、、実は昨日、フラれちゃいました」
へへ…と苦笑いをしながら私は杏里に言った。
「…うそ」
杏里がボソッと言って驚いた顔をしている。
「嘘じゃないよ。きっと、瀬良先生は……雨宮先生みたいな色気のある大人の女性が好きなんだよ」
自分で言っておきながら胸がズキッとなる。
「雨宮なんかより、陽菜の方がずっと、ずーっと可愛いし、色気だってあるよっ」
杏里が私の両肩に手を置いて、力一杯に褒めてくれた。
「ありがとう、杏里…」
瀬良先生にフラれた辛さと、友達が側で励ましてくれる幸せで、どちらの感情なのか分からない涙が私の目からポロポロと落ちていく。
「泣かないでよぉ…陽菜に泣かれると私まで悲しくなっちゃうよぉ」
杏里が瞳をウルウルとさせながら言った。
「へへ…ありがとう。私、杏里と友達になれて本当に嬉しいよ…うっ…これからも仲良くしてね…」
「当然じゃんっ。私の方が陽菜とずっと友達になりたかったんだからっ///私の方がありがとうだよぉ」
綺麗な顔をクシャクシャにして一緒に泣いてくれる杏里。
私にこんな素敵な友達が出来るなんて思ってなかった。
瀬良先生とリュウさんを見ていて、友達っていいなって思ってたから…
私もあの二人みたいな関係に杏里となれたらいいなーーーーー