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「おはよう…ございます」


私はソファで眠っている瀬良先生に挨拶をする。

昨夜はリュウさんが帰った後、お風呂からあがって私がソファで寝ようとしたら、瀬良先生が「俺がソファ、お前はあっち」と言って、私は瀬良先生の部屋のベッドへ強引に寝かされた。

「ん…おはよ」

目を眠そうに擦りながら、少し掠れた声で挨拶をしてくれた瀬良先生。

無防備な感じがなんだか可愛く見える。

「あの…、朝ごはんを作ったので食べませんか?」

ーって言っても、トーストと目玉焼きぐらいしか出来なかったんだけど…。

だって、瀬良先生の冷蔵庫って、殆どビールしか入ってないんだもん。

「マジでっ?さんきゅ、食うよ」

少し驚いた顔をしてから、満面の笑みで答えてくれた瀬良先生。

…きゅぅん

な、なに?

胸が一瞬、掴まれたように苦しくなったような?

私…どこか悪いのかな?

「どうした?」

「いえ、何でもありません」

「そ?じゃあ、いだだきます」

瀬良先生は手を合わせて私の方を見た。

…はい、はい。私も一緒にですよね。

「いだだきます///」

私も瀬良先生と同じ様に手を合わせた。

「よく出来ました」

そう言った瀬良先生は、私の頭をクシャクシャッとする。

「こ、子供扱いしないで下さいっ///」

「なに言ってんだよ、お前はまだまだ子供だろ?」

ズキッ…

今度は、さっきとは違い胸が痛くなる。

そうだよね…

私なんて瀬良先生から見たら子供だよね…。

やっぱり、瀬良先生は大人だから、英語の雨宮先生みたいなグラマーで足も細くって色気のある大人の女って感じがいいのかな?

「なんだよ、俺の顔になんか付いてんの?」

私は無意識のうちに、瀬良先生のことをガン見してしまっていた。

「別に…」

私はムスッとしながら、トーストにかぶり付く。

「なに、不機嫌になってんだ?」

「別に何もありません」

「プハッ、お前って意外と顔に感情が出やすいタイプなんだな」

え?私、顔に出てた?

今まで、そんな事を言われたことがなかった。

だって、本当の自分は自然と隠すようになったから…

まだ、ほんの少ししか瀬良先生と関わってないのに、いつの間にか私は自分を見せていたの?

「いい傾向じゃん。その調子で行こうぜ」

瀬良先生は、ニカッと笑って私の頭の上にポンと手を置いた。

トクン…トクンッ、トクンッ

徐々に上がっていく心拍数に体温。

この時、私は気付いてしまったんだ。


私……


瀬良先生の事が好きーーー。