空耳かな? そう思いながらも振り返ると……… 両目を見開き、驚いた表情をしていた男子が1人、そこに立っていた。 「咲良……。久しぶりだな。元気にしてたか?」 誰……? その人は初めて見る顔だった。 「咲良、知り合い?」 伶奈が私とその人を交互に見る。 私は否定しようとした瞬間、その人は私に近づいてきて……… 包み込むようにそっと抱きしめられた。