担任の話が終わり、私たちは2人で門に向かっていた。
「めんどくさそうな仕事、押し付けられたな。」
そういう入坂はどこか嬉しそうだった。
「その割には嬉しそうな顔してるね。」
「そりゃ、まぁ……色々あるんだよ。
ってか、いつの間にかタメ語の苗字呼びになったんだな。」
「えっ?」
入坂の言葉を聞いて、その時初めて入坂に敬語を使っていないことに気づく。
「…………あ、本当だ。
いつの間にか敬語じゃなくなってる…。」
「ま、いいんだけどな。
でも苗字で呼ばれたのはびっくりしたな。」
「それは、まぁ、私もそっちの方が簡単に呼びやすいし……。」
「なんなら名前の方が呼びやすいと思うけど?」
ニヤリと笑う入坂。
絶対私のことからかってる!