病院を出て、私たちは電車に乗っていた。 冬ということもあり、もう外は真っ暗。 「どこへ向かうの?」 と私が聞くと、雄大は 「思い出の場所。」 とだけ答えて、それ以上は何も言ってくれなかった。 そして1時間くらいして、目的地の駅に着いた。 改札を出ると、そこは見覚えのある場所だった。 確か……… 私が転校する1週間前に、雄大とここに来たんだ。