「ねぇあなた。
なんで明日なの?するなら今すぐしてよ!
北条咲良なんてこの世に存在しなくていいの!
私の咲良に……一刻も早く白峰咲良にしてよ!!!」
突然の叫び声。
その声の主は、白峰咲良のお母さんのものだった。
少なからず私はこの言葉に傷ついた。
私が白峰咲良じゃなくなった瞬間、態度が急変していて………
それにも正直胸が痛む。
今までの思い出、短い時間だったけど……それでも暖かさを感じていたのに。
あれも全部、私が白峰咲良だったからの対応だったんだって……。
「まぁまぁ、落ち着きなさい。
明日まで我慢するんだ、別れの時間は必要だろう?
………明日、最後に北条咲良として、君の両親に会わせてあげよう。
それで北条咲良としての人生は終わりだ。
……今日はここでゆっくりするといい。
明日の朝に迎えにくるよ。
………入坂雄大くん、君も彼女のそばにいてあげるといい。」