智樹が悲鳴がした方を見る。
私もゆっくりとそっちに視線を向けた。
「………っ!」
視界に映ったのは、人混みの中に倒れてる人。
そして倒れている人の近くには………
「通り魔だ!!みんな逃げろ!!!!!」
「「うわあああああ!!」」
「キャアアアア!!」
「いやだいやだ!!」
「早く動いて!!」
「急げ!!」
「誰か通報しないと……!」
凶器を持った男が1人、不気味なオーラを放ちながらそこにいた。
人々が騒ぐ声が聞こえる。
私も逃げないと。
そう思っていたら、ゆらりとその男が顔を上げ、私と目が合った。