「あの人ら、咲良の知り合いか?」
「……違うよ、人違いだと思う。」
智樹が女の人の方を見たけど、私はすぐに否定した。
「智樹、行こう。」
「……あぁ。」
それでも私の頭の中は混乱していた。
頭の中に残っているのは、さっきのスマホの写真に映っていた2人………。
それからの祭りは楽しめなくて、きっと智樹に迷惑をかけてしまったと思う。
「もう帰るか。」
まだまだ時間はあるのに、智樹から言われた。
多分、私がいつもと違うことに気づいたんだろう。
ごめんね、智樹。
心の中で謝りながら、私たちは駅へと向かった………。