……色々な屋台を回って、食べたり遊んだりしていた。
気づけば時間はどんどん過ぎていく。
とにかく今この時間が楽しかった。
「りんご飴食べようよ!」
「はしゃぎすぎ、楽しさが滲み出てるぞ。」
「だって楽しいもん。私、祭り好きだなぁ〜!」
智樹に笑われたって気にしない。
「それは良かった。
じゃあ買って来てやるからここで待っとけ。」
「え!そんな……私も行くよ。」
「いいよ、そんな混んでないから。」
智樹は1人で近くにあるりんご飴の屋台へと向かっていった。
ぽつんと1人になる。
周りの話し声がざつおんにきこえる。
それが少し寂しかった。
こんな大勢いるのに、1人なのが余計寂しくなる。
早く、戻ってこないかな……
そんなことを考えていたら、
「……咲良………?」
と、誰かが私の名前を呼んだ。