『じゃあ私達は帰るね〜!
二人ともお幸せに!!』
伶奈がふわりと笑って私と寺内を見る。
その笑顔は澄んでいて、綺麗だった。
『ほらっ、雄大もなんか言ってあげなよ。』
伶奈が入坂を見る。
やめて、これ以上聞きたくない。
その場から逃げたくなるけど体が動かない。
『………2人とも、お似合いだと思う。
仲良く幸せにな!』
そう言って入坂は笑う。
その言葉に、その笑顔に。
私は涙がでそうになるのを必死に耐える。
寺内はさっきから黙って私たち3人を見ていた。
『じゃあね〜、バイバイ!』
2人が私の横を通る。
と、私は考える前に体が動いていた。
つい、入坂の腕を掴んでしまった。